曇

  「声明絶え夏空の底炎風のみ」



 妻は仕事。息子は、囲碁将棋教室。娘は習字(隣家)。
 俺、一人。
 煙草をくゆらせ、ゆっくりと、「さらば愛しき女よ」を読む。
「大いなる眠り」同様、学生の時に読んだのだが、大鹿マロイのこと
しか記憶になかった。

 途中から結末がバレバレなのだが、余韻の残る作品。

 午後、女房と娘は、習字の表彰式で駅前のホテルへ。
息子は、友人宅へ遊びに行った。

   晴、風強し

   「春哀れ親も子もなし巣の落ちて」