晴

 書籍「ロケットボーイズ」、上・下巻とも読了。

 久しぶりにさわやかな読後感を味わう。


 

まっすぐに蹴る

まっすぐに蹴る

 よく知らない人は、負け犬の遠吠えと言うだろうが、佐竹君の気持ちは、

よくわかる。

 石井氏とは同郷で親近感もあったが、興行のうまみを知ってしまった

のだろう。最初は高い理念を持っていても、金が絡んでくると狂ってくる。

石井氏の狂い様は、昔からの知り合いの間で話題になっていたので、逮捕

されたと聞いても、「あっ、そう」ぐらいの感想だった。

 石井氏は、佐竹君が納得して踊れる場(次のステージ)を提供してやる

べきだった。当時、脳にダメージが蓄積していたのは、テレビを通してもハッキリ

見て取れた。

 植田君も、結局、人柱だったと思う。当時のセコンドは、ワセリンの使い方も

知らなかったようだ。かえすがえすも、彼の事故は残念だった。

 空手のセンセイが、興行に手を出してもよいだろう。しかし、興行師的な資質を

持った人が、まず空手のセンセイから出発したことが、今回の悲劇の原因だろう。

 佐竹君には、いつフラッシュバックがきても、おかしくない状態じゃないのかな。

彼の今後の健康と活躍を祈る。

 石井氏も、これで終わったりはしないだろう。しかし、彼がいなくとも、やれると

感じた(元)取り巻きたちが、今後、どう出てくるか?

 当時の友人たちは、皆、K-1を支持したが、体重差がありすぎるのには、

首をひねった(手プラス足も使うので、攻撃もダメージも分散されるだろうが・・・)。



 

 俺自身、空手にどっぷりつかっていた頃(若い頃)、師匠から内弟子

ならないかと誘われたことがある。断ったが、それが正解だったかな。

極真の分裂といい、石井氏の脱税といい、「空手バカ一代」の世代には

つらいことだ。