空即是色
晴
本年2月,NASAの人工衛星「WMAP」による,宇宙マイクロ波背景放射の非等方性の観測結果が発表され,大きな話題を呼んだ。
その解析結果によれば,宇宙の年齢は137億歳であるという。更に,宇宙に存在するエネルギー密度の内訳は,光を発している通常の物質はわずか4%にすぎず,光を発していない「暗黒物質」が23%,残りの73%は「暗黒エネルギー(宇宙項)」と呼ばれるものであることが判明した。
渦巻き銀河の回転速度の観測から,光を発していない物質すなわち暗黒物質が銀河のまわりにたくさん存在していることが以前から予想されていたが,WMAPの観測によってその存在を支持する結果が得られたわけである(二瓶 武史さん)。
NHKの「サイエンスZERO」で特集をしていた。
我われの世界は、暗黒物質(見えないもの)によって生まれた。息子と一緒に番組を
見たが、息子も仰天していた。これは仏教で言う「空即是色」ではないだろうか。
道元は「頭で悟るのではなく、体で悟るのだ」と言った。達磨は「以心伝心。不立
文字」と言った。確かに、昔は体感しなければわからない説明不可能な概念と思う。
ひょっとして、我われの世界は「従」ではないのか、「あの世」ではないのか。
デヴィッド・ボームが提唱したimplicate order(内蔵秩序or暗在系)とexplicate
order(顕前秩序or明在系)が現実味を帯びてきたのかな?