極真会の思い出

 極真会が分裂して、元の本部道場も使えなくなってしまったようだ。

 記念館になっているらしい。大学はもちろん東京、下宿は本部道場近く。

空手バカ一代直撃世代には、哀しい話。

 私を指導してくれた前田さんたちは、どうしているだろうか。

 練習を終え、公園でいちゃつくアベックを横目に、ほうほうの
ていで池袋駅へ向かったあの日。上には上がいると思い知らされた
あの時。

 事務室には、まだ智弥子夫人がいて、道場生に気を配っていたっけ。


 分裂は、ショックだったが、結果的には極真会の遺伝子を持つ者が
増えたのではないか、ひょっとしてこれは、将来的には「極真会」そのものにとって、
よいことではなかったのか、とも思う。

 もっと具体的に言えば、人間には、男女がいて、そこに新しい命が生まれる。

それは、様々な人の組合せにより、様々なタイプの人間がこの世に生まれてくること

を意味している。寒さに強い人やAという伝染病に強い人。この一人ひとりの違いに

より人類は、病気や環境の変化などの困難を乗り越え、子孫を残すことができた。

 この一人ひとりの違い(個性)がなければ、人類はすでに滅んでいたのではないか

とも言われている。

 仏教だって、最初は一流一派だったもんな。

 天国の大山館長(私のいた時代は館長だった)は、どう見ているのだろうか?