インフルエンザと痴呆症

 娘はインフルエンザだった。脳症が怖い。40度近い熱が出ている。


 
 東京で世話になった下宿の元大家の老夫婦に、みかん一箱送る。

  
 ご近所の会社の課長さんが痴呆症と判断される。同年代。

 奥さんも、奇矯な言動、行動には以前から気づいていたそうだ。

 もう普通の、一人での社会生活は無理。悪くなることは、あっても

よくなる希望はないそうだ。

 小学生の子どもが二人。奥さんが必死で職探しをしている。

 過度のストレスが原因らしいとのこと。気の毒だ。一部上場会社の

課長さん。労災の認定が取れていればよいのだけれど・・・。

 でも、会社に忠誠を誓うなんて馬鹿だ。


 もう、やってられるか。えらそうに言うならお前がやれ、と開き直れ

なかったんだろう。人一倍まじめだったんだろう。

 真剣に心配してくれる、上司、先輩、同僚も、親身になって相談できる

相手もいなかったのだろう。兆候はあったはずだ。周りの人間は何をして

いたのか。

 苦しい現実から逃避するため、自分が呆けるしかなかったのだろう。


 ああっ、やりきれない。優しい人間が、この世からはじき出されるのか?


 と、家で物思いにふけっていると、上司からメールで昼間の仕事のいちゃもん。

 即、電話して、開き直りすごむと、「いや、確認だけ」だとよ。

 何をどのくらい仕入れるか確認し、現品到着後は、金額も報告したのに、

 多く仕入れすぎただと。単純な仕入れと報告なのに1時間もたってこのざま。

 多分、上から何か言われたのだろう。情けない。