晴れ、底冷

 兄はカブスカウトの活動で、河原で飯盒炊飯。妹も行きたがるが、咳が
おさまらず、許可せず。非常に残念な様子。

 昨晩、飼犬が三度目の脱走。向かいの寺田さんが連れてきてくれたそうだ。

 サッカー、イラン戦に惜敗。くそーっ。

 昼、映画「ヒューマン・キャッチャー」ビクター・サルバ脚本・監督


 紀野一義の「心が疲れたとき読む本」をよんで、心底疲れた。
彼は40過ぎの時に、「遍歴放浪の世界」を上梓、20年後「心が・・・」
を出版。買うんじゃなかった。
 仏教の寄生虫になっていた。有名人や権力者の知遇を得ていることを
披瀝したり、読者からの手紙や直接、相談に来た人を、値踏みするような
表現があったりで馬鹿丸出し。
 私の嫌いな坂村真民のエピソードには笑った。「真民先生は毎朝真っ暗な
うちに起きて身を清め、座禅し、読経し、やがて河原に出ていって、
大詩霊様に祈りを捧げ、暁を迎え、時として石笛を喨々と吹きならす」
のだそうだが、ある時、北鎌倉の円覚寺で、かの石笛を披露しようとしたが、
うまく鳴らなかったそうだ。
 喨々と吹き鳴らすには相当の修練が必要であり、石笛を体の一部のように
自在にあやつれるようになっているはずだ。このうそつき。
 仏教を散りばめた詩を讃する人は多いが、上手なうそほど、人は感動
するんじゃないかな。大悟は大愚に似たりと言う言葉があるが、その
逆もあるんじゃないか。
 心の時代と言われて久しいが、最初は謙虚な求道者でも、時の勢いに乗じ、
周りから賛辞を得たり、先生と呼ばれるのが当たり前になってくると、心の
バランスが崩れるらしい。

 口直しに、いや目直しに「神様のピンチヒッター」を再読。

飼犬、深夜に4度目の脱走。針金を買ってこなければ。