快晴


 台風一過。吹き返しの風はあるものの、気持ちの良い朝だった。我が市では、
ありがたいことに、今回は一人の死者もでなかった。しかし、九州では、
相当の死者・行方不明者が出た。今年はあと何回、台風が来るだろう。


 夜、何の気なしにテレビ(NHKハイビジョン)を見ていた。


 ノーマン・ロックウェル美術館。
 

  HV特集。


  十九の春。

わたしがあなたに惚れたのは 
ちょうど19の春でした
いまさら離縁というならば 
もとの19にしておくれ


もとの19にするならば 
庭の枯れ木をみてごらん
枯れ木に花が咲いたなら 
19にするのもやすけれど


見捨て心があるならば 
早くお知らせくださいね
歳も若くあるうちに 
思い残すな明日の花


一銭二銭の葉書さえ 
千里万里と旅をする
同じゴザ市に住みながら 
逢えぬ我が身のせつなさよ


主さん主さんと呼んだとて 
主さんにゃ立派な方がある
いくら主さんと呼んだとて 
一生忘れぬ片思い


奥山住まいのウグイスは 
梅の小枝で昼寝して
春が来るよな夢をみて 
ホケキョホケキョと鳴いていた



 「嘉義丸の歌」朝崎辰恕氏の娘さん、郁恵さん。


1、散りゆく花はまた咲くに 
  ときと時節が来るならば
  死に逝く人は帰り来ず 
  浮世のうちが花なのよ     唄を聞いていて、涙が止まらなくなった。
                     やはり、阿呆に国政を任したらだめだ。
2、戦さ戦さの明け暮れに     目がさえて、午前3時くらいまで眠れず。
  戦火逃れてふるさとへ
  帰りを急ぐ親子連れ
  嘉義丸便りに船の旅

3、五月の二十日に大阪を 
  親子笑顔で船出して
  鹿児島みなとに入るまでは
  雨風もなく波もなく

4、鹿児島みなとをあとにして
  二十六日十時半
  大島岬も目について
  宝の島の沖合で

5、ああ憎らしや憎らしや
  敵の戦艦魚雷艇
  打出す魚雷の一弾が 
  嘉義丸船尾に突き当たる

6、親は子を呼び子は親を  
  船内くまなく騒ぎ出す
  救命胴衣を着る間なく  
  浸水深く沈みゆく

7、天の助けか神助け 
  ふたたび波間に浮き上がり
  助けの木材手にふれて
  親子しっかり抱きしめる

8、思う間もなくいとまなく
  追いさらわれて海原へ
  これが最後の見納めか 
  親子最後の見納めか

9、波間に響く声と声  
  共に励まし呼び合えど
  助けの船の遅くして 
  消えゆく命のはかなさよ

10、親を恋しと泣く子らの 
  いとし子呼んで泣く親の
  嘆きの声が聴こえたら 
  御霊よ天の星となれ