初雪

 午前中、花の苗をホームセンターで物色してたら、

同級生とばったり会う。

 先日死んだ先輩を見つけて、運び出した奴だ。

見つけた時にはもう、冷たくなっていたそうだ。

 離婚後、太りだした。仕事に関しては、

やるべきことはやっていたが、ひまになると、

うつろな表情で、パソコンのゲームをしていた。

 基本的に仕事はできる人だったが、どこか

なげやりだった。2年くらい前かな。仕事で

関わりがあり間違いを注意したが、どうにでも

してくれ、という感じだった。

 生きる意欲を失っていたのでは・・・。子どもが

いたら別な展開が・・・。

 また、涙が止まらなくなった。


 家に帰り、庭で土いじりをしていると、雪が

降り出した。猫の「雪」という曲を思い出す。

 今日会った同級生も昔は肥満体だったが、

今は、だいぶやせている。

 減量していると言っていた。おれも最高85

キロだったが今は74キロだ。あと、10キロは

やせたい。

 
 土いじりの手をとめて、降る雪に見入っていた。

 毎週、土曜日に会いに来てくれていた娘が

来なかった。連絡もなし。

去るもの日々に疎しか・・・・。


 セロシアの葉が、みるみる垂れてきていた。

急いで部屋へ入れてやる。もーっ、ひ弱な奴は

どいていろ。

 久野収の「野垂れ生きる」という言葉を思い出し、

ニヤリとする。

 
 ぼちぼちいきますか。いつまでも、へこんで

いられるか。